危険度はゼロ。システムは、そのままでいいと出している。なのに僕は、自分で作ったシステムに逆らいたくなりました。
攻めが弱い気がする。今ふり返ると、この感覚が出てきた時点で、もう赤信号だったんです。
結論から先に言います。この物足りなさこそが、一番危ないサインでした。そして止めてくれたのは、過去の自分が作ったルール。相場予想でも売買の話でもなく、自分の心と仕組みの話です。
何があったか
僕のシステムは、相場の危険度を数値で出して、どれくらい守りを厚くするかの目安を決めるものです。中身は地味で、毎朝それを見てから動く。仕組みのつくり方は毎朝の投資チェックをAIで自動化した話に書きました。
その日は危険度が0。システムは、今のまま動かず維持しろとの指示でした。
でも僕は物足りなかった。守りが強くて、攻めが弱い気がする。現金を持ちすぎな気がして、もっとメリハリをつけたくなる。要は、もっと攻めたいという衝動が出てきたわけです。
いや、危険度ゼロなら攻めていいのでは?
そう思いますよね。僕もそう思いました。でも、そこが落とし穴だったんです。
たとえば車の運転で考えると分かりやすい。事故が起きやすいのって、混んでる道より、ガラガラに空いた高速道路だったりするんですよ。道が空いてるほど、人はアクセルを踏みたくなる。怖くないから、つい出しすぎる。
相場が穏やかな日も、これと同じでした。荒れてないから怖くない。怖くないから、もっといけると感じる。攻めが弱いという僕の感覚は、冷静な判断じゃなくて、空いた道でアクセルを踏みたくなる、ただの本能だったんです。
僕を止めたのは、過去の自分だった
このとき、AIにさすがに弱気すぎるのではと聞いたんです。返ってきたのは、僕が忘れてた事実でした。
ひとつ、僕のポートフォリオはもともと値動きの激しい方に偏っていて、すでにかなり攻めた状態だった。攻めが弱いどころか、むしろ踏みすぎなくらいでした。ふたつ、攻めを増幅する案は、過去に自分で検証して却下済み。リターンはほぼ変わらず、下げ幅だけ大きくなる。データがやめとけと言っていた。
そして決め手は、AIのこの一言です。
先週あなた自身が組み込んだ、楽観は人間の本能だから機械が上書きする。まさに今それが作動しています。
先週の僕は、こういう衝動が来ることを見越して、それを抑えるルールを入れてました。そして今週の僕が、まさにそのルールに止められた。自分で設計したルールに、設計した自分が引っかかったわけです。情けないというより、作っておいてよかったと思いました。
一番危ないのは、暴落じゃない
怖いのは暴落そのものより、穏やかな相場で気が緩む瞬間の方なんですよ。
だから僕の中で、危険度ゼロの意味が変わりました。安全だから攻めろ、じゃない。気が緩むぞ、気をつけろ、のサインだと。荒れてる時は誰でも慎重になる。本当に試されるのは、静かな時です。
熱くなってる時の自分は信用できない。それを知ってる冷静な時の自分が、先回りして仕掛けを置いておく。この、突っ込ませて止める考え方は、2つのAIをラリーさせる使い方で書いた、一人で熱くならない仕組みともつながっています。
静かな相場は強気、荒れた相場は弱気。これが人間の本能。だからこそ、機械にはその逆を持たせておく。あなたは、相場が静かな日に、何を考えますか。

