損切りは何%が正解なのか。
投資の本を読むたびに違う数字が書いてある、あの永遠の論争です。
7%で切れという本もあれば、10%という人もいて、そもそも切るなという流派もいる。
僕は損切りについて自分の答えを持っていませんでした。だからAIと一緒に、過去のデータで全部試しました。浅いラインから深いラインまで、僕の過去の売買記録も全て渡しました。総当たりです。
先に結論を言うと、有効な損切りラインは、どこにも無かった。1本もです。
試したこと
僕は普段、自分で決めたルールで株を機械的に入れ替える運用をしています。その土台に損切りルールを足したら成績が良くなるか、という検証です。
試した形はこの3つでした。
| 試した形 | 結果 |
|---|---|
| 浅い損切り(1桁%で切る型) | 土台を上回れず。切った直後に戻る往復ビンタが多発 |
| 深い損切り(10%台で切る型) | 土台を上回れず。切れる頃には下げの大半が終わっている |
| 切った後すぐ別の株に乗り換える型 | 現金で待つよりは一貫してマシ。それでも土台に届かず |
意外だったのは3つ目です。損切りがうまくいかない理由としてよく言われるのが、売った後の現金が寝てしまう問題。
じゃあ寝かせずすぐ乗り換えたらどうかと試したら、たしかにマシにはなる。でも、損切りしない土台の収益は超えられませんでした。
負けた理由は、性能ではなく「重複」だった
数字を眺めていて気づいたのは「損切りが悪い道具だという話ではない」ということ。
僕の土台には、もともといくつかの守りが入っています。暴落などへの備えは、その係がすでに担当していました。
そこに銘柄ごとの損切りを重ねたんです。同じ保険に二重で入るのと一緒です。
保障は増えない。なのに保険料(売買の回転コストと、切った後に戻る損失)だけが増える。検証の数字は、キレイにそれを示していました。
これ、少し前に米国株の検証で見た結論と同じ構造でした。
あのときは、良い資産でもすでに持っていたら足す意味がない、でした。今回は、良い守りでもすでに守られていたら足す意味がない。道具の価値は単体の性能ではなく、いま持っているものとの重複で決まる。二度続くと、さすがに覚えます。
だから、答えは%では言えない
ここまで読むと、損切りは要らないんだ、と受け取れそうですが、それは違います。
僕の検証が言っているのは、別の守りがすでに入っている僕の仕組みでは要らなかったということです。
守りを何も持たずに個別株を持っている人なら、結論は変わりうると思います。
損切りは何%が正解か、という問いの立て方が、たぶんズレているんです。
正解の損切り率何%を探すより先に、自分の持ち物にどんな守りが入っているかを数える方が先。それが12通り試した検証の、いちばんの持ち帰りでした。
ちなみにこの損切り論争、理屈をこねるだけなら永遠に決着しません。だから僕は、本物のお金の横でAIの理屈を走らせて観察する場所を作りました。損切りの深さが違う兄弟が同じ条件で走っています。
経過はレースの観戦席に積んでいきます。
あわせて読みたい
このページは僕自身の記録と考えの共有であり、投資助言ではありません。特定の売買手法の推奨や勧誘を目的としたものではなく、投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。


