勝ち方はほとんど見つからず、負け方が10種類たまった。AIと277回検証した記録

自作システム

AIに投資の検証を任せたら、勝ち方がどんどん見つかる。始める前の僕は、そう思っていました。

実際の結果を先に言います。2026年6月の下旬から8月の頭までの約2か月で、検証は277回。試した組み合わせは338通り。

そこから実際の運用まで残ったものは、ほんのひと握りです。

代わりに増えたのが、負けた検証の記録でした。数えたら126回。

勝ち方はほとんど見つからないのに、負けの記録だけが山になっていきました。正直、序盤はヘコみました。

ところが先日、この山を読み返して並べ直したら、意外なことが分かりました。

126回の負け方が、たった10種類に収まったんです。

負けた126回を10種類に分類した表

負けた検証の記録は、事故調査報告書に似ている

飛行機は事故が起きるたびに、原因を調べて報告書を残します。同じ型の事故を二度と起こさないためです。

飛行機が安全な乗り物になったのは、墜落しない発明が生まれたからではなく、墜落の型を記録し続けたからだと言われます。

僕の検証ノートも、気づいたら同じ形になっていました。ダメだったアイデアも消さずに、全部通し番号をつけて残しています。

それを読み返すと、勝った記録より、負けた記録の方が後から効いてくるんです。

1回の負けにつき、いちばん大きな原因をひとつだけ選んで分類しました。実際にあった例を1つずつ添えます。

負け方の型 実際にあった例 回数
既に同じ仕事をしてた 損切りを足したら、もともとの守りと重なり効果が消えた 25
移植したら死んだ ある市場で効いた選び方が、別の市場では通用しなかった 17
誤差に埋もれた 測定の揺れの幅より小さい差を、勝ちと数えてた 15
動かすほど負けた 浅く切ったら往復ビンタをくらった 13
獲物ごと捨てた 候補を絞り込んだら、当たりごと落としていた 12
測定器が壊れていた 未来の数字をカンニングしてた 12
リスクを増やしただけ 儲けが増えたと思ったら、値動きの荒さも増えてた 9
期間を変えたら消えた 期間をずらしたら、負けまくった 9
出番がなかった 狙いがピンポイント過ぎて出番が来ない 7
テストは勝てるが実行不可 テストの成績は優秀だが、物理的に不可能な銘柄数 7

いちばん多い負け方は、もう書いていた

最多の25回は既に同じ仕事をしてた、でした。単独では合格した部品を混ぜたら薄まった話(勝てる部品を集めたら、チームは弱くなった)が、まさにこの型です。

損切りを足したら保険の二重加入になっていた発見(損切りラインは何%が正解か、AIと全部試した)も、この重複の仲間でした。

この型ばかり食らっていた頃、「今のシステムが強すぎるんだよなぁ」と漏らしたことがあります。自慢に聞こえますが、実際は半分あきらめです。強いという意味ではなく、もう何を足しても良くならない、という意味でした。

手を動かすまで、想像もしなかった負け方

表の下の方にある型ほど、やる前の僕には想像がつきませんでした。3つだけ紹介します。

出番がなかった

ルールを作って、過去のデータに置いてみたら、一度も出番が来ませんでした。そういう負け方があります。

ルールが悪いから死んだのではありません。狙いが細かすぎて出番そのものが来ないこともあれば、先に別の係が仕事を終えていて順番が回ってこないこともあります。自分の損切りをAIに移植しようとした時がまさにこれで、切りたい場面が来る前に、システムの方が先にその株を手放していました。表でいう移植の失敗と親戚ですが、死因はあくまで、出番が来なかったこと、の方でした。

期間を変えたら消えた

いちばん背筋が冷えた負け方です。

つい先日、用意した合格ラインを4つとも通った改良案が出ました。その案は、似た仲間の中から一番成績の良かったものです。素直にうれしかったです。

ところがその直後、データの期間を2つに分けて測り直したら、消えました。片方の期間では、仲間はどれも元の形より悪かったんです。つまり合格は、たまたま一方の期間に合っていた案を、後出しで選んだこと自体が作った数字でした。良い結果が出た時ほど、その結果が出た理由を疑う羽目になります。

テストは勝てるが実行不可

統計の試験は満点で通ったのに、実際の運用まで進まなかった案もあります。

試験は通ったんです。ただ、その案を現実で回すには、個人ではとても持ちきれない数の銘柄を抱える必要がありました。数字は本物でも、物理的に無理だったんです。素材は本物なのに、武器にはなりませんでした。こういう負け方は、実際に発注する自分を想像して初めて見えます。

ほかにも、判定の仕組みそのものが未来の情報をこっそり見ていた、いわばカンニングが見つかって、それまでの数字を全部捨ててやり直した日もありました。表でいう、測定器が壊れていた、の中で一番高くついた例です。長くなるので、いつか別の記事で書きます。

負け方を集めて、何になるのか

ただのボツの山、と思いますよね。

僕もそう思っていました。

同じ失敗を3回してから、やり方を変えました。

検証にかける前に、そのルールの出番が何回あるかだけ数える。少なければ回さない。

新たに思いついたアイデアは、この手の足切りフィルターでほとんど落ちました。気付いたらこのボツの山が検証の効率を上げてくれていたんです。

この10の型の表は、その習慣を全部の型に広げたチェックリストです。新しい思いつきは、これからまずこの表と突き合わせてから回すことにしています。

ちなみに、この検証をくぐり抜けて実際に運用に残ったものが、いま本物のお金で動いています。市場が開いた日の損益は、勝った日も負けた日もそのまま運用日記に置いています。なぜそこまで出し続けているのかは、運用結果は見なくていい、と言っていた僕が、毎日、損益を公開している理由に書きました。

勝ち方はほとんど見つからず、負け方が10種類たまった。AIと277回検証した記録

勝ち方は古びていく。負け方の型は古びていない

この2か月で分かったのは、勝ち方の賞味期限は短いということでもありました。昔強かったタイプが、今はさっぱり。逆に昔ダメだったタイプが今は一番。期間を分けたら、半分近くが入れ替わっていました。

でも負け方の10の型は、この2か月で一度も裏切られていません。飛行機の話と同じです。墜落しない発明より、事故報告書の束の方が、結局いちばん墜落を減らします。

検証で本当に積み上がっていくのは、勝ち方のコレクションではなくて、やらないことのリストなんだと思います。落ち方をひとつ潰すたびに、落ちにくくなる。

派手さはないですが、コツコツ負けを潰していく、僕にはこれが一番の近道でした。

この記事は僕自身の検証記録と考えの共有であり、投資助言ではありません。特定の売買手法の推奨や勧誘を目的としたものではなく、過去データの検証結果は将来の成果を約束しません。投資の最終判断はご自身の責任でお願いします。

この仕組みの作り方は、AIに毎日の仕事をさせるにまとめています。

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かる

投資歴10年。FXで毎月給料を溶かして、株とBTCへ。

AIと投資システムを自作する非エンジニア。

FIREを目指して投資システムを記録中。

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