※2026年9月から、Xへは週に1回、その週の全営業日ぶんをまとめて出す形にしています(記録そのものは営業日ごとに変わらず続けています)。この記事は、毎日出していた当時に書いたものです。
昔、保険や家計の相談の仕事をしていた頃、初めて運用を始める人に、よくこう言っていました。 運用結果は、見なくていいですよ。 これから資産を増やそうという人に、増えたか減ったかを見るなと言う。変な話に聞こえますよね。もちろん半分は冗談めかした言い方です。でも残りの半分は、当時の僕なりの理屈がありました。今日はその理由と、その僕がいま真逆のことをやっている話です。なぜ「見なくていい」と言っていたのか
運用で一番大事なことは、うまい銘柄選びでも、売り買いのタイミングでもありません。死なずに、複利を効かせ続けることです。 複利というのは、増えたぶんにも次の利息がつく仕組みのことです(雪だるまを転がすと加速して大きくなる、あれです。数字の詳しい話は複利の記事に書きました)。 この雪だるま、転がしている間だけ育つ仕組みです。途中で止めれば、雪がつく面ごと増えなくなります。そして人が雪だるまを止めるきっかけは、だいたい決まっています。画面を見た時です。 減っているのを見ると、怖くなってやめたくなる。増えているのを見ると、欲が出て触りたくなる。どちらに転んでも手が動いて、せっかくの複利を自分で止めてしまう。始めたばかりの人ほど、画面の数字はそういう力を持っています。
その僕が、いま毎日、損益を公開しています
時間が経って、いまの僕は何をしているか。市場が開いた日は毎日、その日の運用の増減をX(旧Twitter)に載せています。プラスの日もマイナスの日も、そのままです。先月はひと月の合計がマイナスでした。それも先月のまとめ記事にそのまま書きました。 見なくていいと言っていた人間が、毎日見て、しかも人に見せている。言っていることとやっていることが逆です笑種明かしは、主語が違うだけでした
でもあの頃の「見ないでください」と、いまの「毎日見せます」は、目的が違うんです。 あの頃の「見ないでください」の相手は、これから始める人でした。始めたばかりの人にとって、画面の数字は感情のスイッチです。見れば手が動いて、手が動けば複利が止まります。昔の自分がまさにそうでした。だから、続けてもらうための線として、見ないことを勧めていました。 じゃあお前は毎日見て怖くないのか、と言われそうですが、正直に言うと、減った日は普通にヘコみます。ただ、今はどこまで下がりうるかを先に散々シミュレーションした上でのマイナスなので、許容範囲なら感情が暴れることはないです。ヘコみはします。でも手は動きません。 いまの僕が毎日書いているのは、自分が逃げないための線です。毎日その日の結果を公開してしまうと、都合の悪い日だけ黙る、ということができなくなります。負けた記録も、その日のうちに固定される。後から良いところだけ切り取って語れない。要するに、運用の成績表ではなくて、逃げ道を先に埋めておく仕組みなんです。 同じ「見る」でも、動くために見るなら毒、記録するために見るなら薬です。この違いに気づいてから、自分の中で綺麗に筋が通りました。いまも、増やす側のお金には手を付けていません
僕自身、つみたてで長く持つ側のお金は、何年も前に買ったまま、売らずに持ち続けています。見ることはあっても、触らない。ここは昔言っていたことと変わっていません。 毎日書いて公開しているのは、AIと一緒に検証している運用だけです(自分の投資のやり方をAIとシステム化して、実際のお金で答え合わせをしています。この記録は実弾の記録のページにまとめています)。こちらは増やすことと同じくらい、負けも含めて記録を残すこと自体が目的なので、毎日見ることが仕事に入っています。触らない口座と、毎日見る口座を、目的で分けている形です。
2026年9月から、Xへ出すのは週1回にまとめました。毎営業日の増減はこれまでどおり記録していて、金曜に1週間ぶんを1枚のカレンダーで漏れなく載せます。
この仕組みの作り方は、AIに毎日の仕事をさせるにまとめています。


