このブログで何度か書いてきた、相場の危険度というものがありました。毎朝、市場のいろんなサインをまとめて0から100で相場の危険度を採点する、自作の点数表です。静かな相場の話でも強気サインを疑う話でも、この点数が主役でした。
先に結論を言うと、あの点数表、丸ごと捨てました。コードごと。
捨てた理由は、性能が悪かったからではありません。もっと単純で、もっと恥ずかしい理由です。
記録を数えたら、0回だった
きっかけは、システムの大掃除でした。中身を整理していて、ふと気になったんです。この点数、実際の売買を何回動かしたんだろうと。
僕の売買には全部記録が残っています。突き合わせた結果は、0回でした。作ってからひと月あまり、毎朝欠かさず眺めていた点数が、お金の動きを一度も変えていなかった。

売買を実際に動かしていたのは、先に決めておいたルールの方でした。決めた日に淡々と入れ替える。市場が荒れたら機械的に守りを固める。それだけで完結していて、点数の出る幕が最初から無かったんです。
当てにいく数字は、従う勇気がいる
なぜ使わなかったのか、自分なりに考えました。
点数表は、今日の相場が危ないか安全かを当てにいく道具です。そして当てにいく数字に従うには、外れたときの責任を数字に預ける勇気がいります。点数が90だから売る。20だから買う。僕はその勇気が最後まで出ませんでした。毎朝、ふーん今日は高いなと眺めて、結局ルール通りに動く。それの繰り返しでした。
で、あるとき気づいたんです。従う勇気が出ないのは僕が臆病だからじゃなくて、当てにいく設計そのものが自分に合ってないんだと。当てるのをやめて、決めたルールを守るだけにしたら、迷いごと消えました。賢い仕組みを作るより、間違えない仕組みを作る方が、僕には合っていました。
ただし、全部は捨てていません
誤解のないように書いておくと、捨てたのは「まとめて1つの点数にして当てにいく」部分だけです。毎朝の観測そのものは今も続けています。市場のお金がどこからどこへ動いたか。ふだん逆に動くものが同じ向きに揃っていないか。そういう、今どこにいるかを見るための数字です。
当時、自分のメモにこう書いていました。「便利な数字より、こういう見たくないズレを先に出してくれる方がありがたい」と。振り返るとこれが答えでした。未来を当てる数字は捨てて、現在地を見る数字だけ残した。それが7月8日にやった大掃除の中身です。
前の記事で書いた考え方、静かな相場ほど気を抜かないとか、強気なときほど疑うとかは、点数を捨てた今も売買ルールの中に生きています。捨てたのは考え方ではなく、点数という形の方でした。
道具を捨てるか迷ったら、使った回数を数える
今回の持ち帰りはこれです。作った道具を捨てるかどうかは、思い入れで考えると絶対に決められません。作るのに何日もかけた道具ほど、いつか使うかもと思ってしまう。でも記録があれば、使った回数は数えられます。数えて0回なら、それが答えです。
ひと月あまり毎朝つけた点数を捨てるのは、正直ちょっと寂しかったです。ただ、消したあとのシステムの画面はすっきりして、毎朝見るのが少し楽になりました。あなたの道具箱にも、一度も使っていないのに捨てられない道具、ありませんか?
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