分散が効かない日は、相場が荒れている日ではありませんでした

自作システム

ここ最近も、相場の主役はAIと半導体のままです。
データセンターに世界中のお金が流れ込んで、その電力をどうするかまでニュースになっている状態が続いています。

相場の数字を見ると、半導体は1年で111%の上げでした。
数字の上でも、たしかにお祭りなんですよね。

その一方で、相場の荒れ具合をあらわす指標(VIX。跳ねると相場が荒れているサインです)は14台まで下がっています。
この1ヶ月半、ずっと14から21のあいだで動いていて、大荒れと呼べる場面はありませんでした。

強くて、静か。
普通ならいちばん安心していい組み合わせです。

分散しておけば大丈夫、のはずでした

投資でいちばんよく見る言葉のひとつが、分散です。
1つに集中するな、国も業種も時間も分けろ。
僕もそう教わってきましたし、その考え自体は今も変えていません。

ただ、分散には前提があります。
分けたもの同士が、別々の動きをしてくれること。
株が下がった日に、金や債券(国や会社にお金を貸して利子をもらう、株より値動きの穏やかな資産)が持ちこたえてくれるから、全体のダメージが薄まる。
逆をやってくれる相手がいて、はじめて効くわけです。

じゃあ、その前提はいつも成り立っているのか。
気になったので、数字をつけることにしました。

ふだんは別々に動くものが、同じ日にどれだけそろって動いたか

つけているのは、ふだんは別々に動くはずのもの同士が、
同じ日にどれくらい一斉に同じ方向へ動いたかの度合いです。

材料は誰でも見られる公開の値動きです。
ひとつ断っておくと、VIXは米国市場の引け値なので、日本の記録日とは数日ずれます。
0から100で表していて、高いほど、バラバラだったはずのものがそろってしまった日ということになります。
分散が崩れた、と言ったほうが早いかもしれません。

並べてみます。

分散が効かない日は、相場が荒れている日ではありませんでした
  • いちばん低い日:21(2026年7月20日)
  • いちばん高い日:92(2026年8月4日)
  • 真ん中の日(29日を高い順に並べたときの、ちょうど真ん中):62

ざっくり3つに分けると、こんな並びでした。

  • 70から上(分散があまり効かなかった日):10日
  • 50から70のあいだ:9日
  • 50より下(分散が効いていた日):10日

3日に1日は70から上、つまり分散があまり効いていない側にいたことになります。
逆に、ちゃんとバラけていた日も、同じくらいありました。
そういう意味では、効く日と効かない日が半々でした。

29日ぶんしかないので、この真ん中の数字もこれから動きます。
だから僕は、その日の数字そのものより、積み上げた記録の中でどのあたりにいるかを見ています。

まず、思っていたより幅がありました。
21の日と92の日が、同じ1ヶ月半の中に入っています。
分散が効く日と、ほとんど効かない日が、結構な頻度で入れ替わっていたということです。

荒れ具合と、分散の効きは、連動していませんでした

ここからが、僕がいちばん意外だったところです。

いちばん分散が効かなかった8月4日、その日のVIXは15.99でした。
真ん中より、やや静かな日ということになります。

逆に、いちばん分散が効いていてくれた7月20日。
この日のVIXは18.77で、期間の中では高いほうでした。
相場は荒れているのに、分散は効いていました。

ついでに、VIXが期間中でいちばん高かった7月30日はどうだったか。
そろい具合は62で、ちょうど真ん中でした。

ここで、ひとつ確かめたいことがありました。
相場が荒れているかどうかを見ていれば、分散が効いているかどうかも分かるのか?
もしそうであれば、VIXだけ見ていれば済みます。

そこで分散の効き具合とVIXの2つを突き合わせて、どれくらい一緒に動いたかを計算しました。
結果は-0.06。
1に近ければ一緒に動く、ゼロなら無関係。
-0.06はほぼゼロです。
日付のずらし方を変えて計算し直しても、同じでした。

VIXが低い日だから分散が効いている、とも、その逆とも言えませんでした。
片方を見て、もう片方を推し量ることはできない、ということです。

つまり、荒れているかどうかと、分散が効いているかどうかは、別の質問なんですよね。
ニュースやアプリでよく見る荒れ具合の数字は、前者の相場が荒れているかどうかにしか答えてくれない。
荒れ具合だけを見ていると、今日は相場が静かな日だから安心、と見えてしまいます。

静かな日のほうが、手が動く

この話、自分用のメモに先に書いていました。
2026年6月22日です。

相場が静かな日ほど、逆に守り(現金)を足したくなる。
たぶん何も起きてない時しか落ち着いて準備できないから。
荒れてから動くんじゃなくて、平和な日に守りを考えておきたい。

当時は理屈があったわけじゃなくて、ただの感覚でした。

それが1ヶ月半ぶん数字がたまってみたら、静かさと分散の効きは別物だという形で、一応の裏がついた感じです。

正直に言うと、似た話は前にも一度書いています。
「危険度が低い=安全」ではない。静かな相場でこそ警戒する理由
ただ当時は別のつけ方の点数を見ていて、そのつけ方はあとで使いものにならないと分かったので今は使っていません。
同じことを言っているようで、見ている物が入れ替わりました。

持ち帰ってほしい問いは、ひとつだけ

数字の話を並べておいてなんですが、持ち帰ってほしいのはひとつです。

自分が持っているものは、同じ日に同じ方向へ動くか。

銘柄の数でも、国の数でもなくて、動き方が違うかどうか。
ここが分散の中身です。

10本持っていても全部が同じ日に同じ顔をするなら、1本持っているのとあまり変わりません。
逆に3つでも、動き方が本当に違えば、そのぶんは効いてくれます。
もちろん、いつも効くとは限りません。

分散が効かない日は、相場が荒れている日ではありませんでした

ちなみに、動き方が似たもの同士を足すと弱くなるという話は、自分の運用でも実際にやらかしています。
勝てる部品を集めたら、チームは弱くなった。AI検証211本目で見えた分散投資の正体
強いもの同士をくっつけたのに弱くなった理由が、まさにこれでした。

そして、その答えは固定ではありません。
日によって変わります。
だから僕はこの数字をつけて、今日はどっち寄りかを見るようにしています。

知っておくのと、知らないのとでは、荒れた日の慌て方が違います。

自分の持ち物で、同じことをやってみる

やり方は難しくありません。
自分が持っているものを4つか5つ書き出して、大きく下げた日の値動きを並べてみるだけです。
同じ日にそろって下げていたら、その組み合わせは分散が効いていなかったということになります。

僕はこの作業を数字にしていますが、はじめは月に1回、下げた日を1日ぶん見るだけで十分だと思います。
それだけでも、自分の持ち物が本当にバラけているのかどうかは見えます。

とはいえ、毎月ちゃんと見られるかというと、正直それがいちばん難しいところです。
僕も毎朝の仕組みにしてしまったから続いているだけで、手作業だったら絶対にやめていました。

続けられる自信がないなら、頻度を落としてでも構いません。
大きく下げた日が来たときに、その日だけ見る。
それでも十分に意味があります。

ちなみに、人に見てもらうという手もあります。
ただ、僕は前職がその側にいた人間なので、先に仕組みのほうを書きました。
FPの無料相談は、なぜ無料なのか。4年やっていた僕が、仕組みを先に話します
使うなら、そちらを読んでからのほうがいいと思います。

※この記事は僕自身の観測記録であり、投資助言ではありません。
最終的な判断はご自身の責任でお願いします。

自作システム
かる

投資歴10年。FXで毎月給料を溶かして、株とBTCへ。

AIと投資システムを自作する非エンジニア。

FIREを目指して投資システムを記録中。

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