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投資を始めない理由で一番多いのが、今は高そうだから、暴落が来たら怖いから、だと思います。じゃあ質問です。もし史上最悪級のタイミング、つまり大暴落の直前の天井で始めてしまったら、どうなると思いますか。
実は、その最悪のケースを実際のデータで計算できます。2007年10月。リーマンショック直前の、あの天井です。そこから毎月コツコツ積み立てた人がどうなったか、答えを先に出します。

元本を取り戻すまで2年1ヶ月。そして10年続けたら、積み立てた363万円は約640万円になっていました。最悪のスタートを切ったのに、です。
なぜ暴落の直前に始めても勝てたのか
種明かしは単純で、毎月同じ金額で買い続けたからです。このやり方をドルコスト平均法と言います(毎月決まった額をコツコツ買う、それだけの手法です)。
同じ3万円でも、株価が高いときは少ししか買えず、暴落して安いときはたくさん買えます。つまり暴落は、積立にとっては安く仕入れられるバーゲン期間でもあるんです。天井で始めた人も、その後の大バーゲンで安い株をたっぷり仕込めたから、相場が戻り始めたら一気に浮上した。これがカラクリです。
実際のグラフで見ると、一目で分かります

青い線は、最初に全額(363万円)を一括で入れた場合。天井で入ったので、リーマンショックで一時は半分以下まで落ちています。ここで心が折れて売っていたら、損失が確定していました。
一方、黄色の積立の線は、灰色の元本の線にぴったり寄り添ったまま、大きくは沈んでいません。この期間の含み損は最大でも19万円ほど。同じ暴落を食らったのに、傷の深さが全然違います。そして2013年ごろからは、どちらも元本を大きく上回っていきました。
ちなみに、10年持ち続けたなら一括でも約603万円まで戻っています。本当の敗者は、途中で怖くなってやめた人だけでした。
これ、リーマンの10年だけの話ではありません。持つ長さと負けにくさの関係を、もっと広い期間で見るとこうなります。

1年だけだと、8割は勝てるけど2割は負ける。ようは運です。でも持つ長さが伸びるほど負ける確率は下がっていって、この40年のデータでは、15年以上持った場合にマイナスで終わった月は一度もありませんでした。ブラックマンデーもITバブル崩壊もリーマンもコロナも込みで、です。投資の勝ち負けを分けるのはタイミングの上手さより、持っていられる長さなんですね。
時間を分けるのが積立なら、場所を分けるのが分散
ドルコスト平均法は、買うタイミングを何十回にも分ける方法です。同じ発想で、買う場所も分けられます。ひとつの会社でなく、世界中の会社にまとめて投資する。これが分散です。
タイミングを分けて、場所も分ける。ここまでやると、どこかの会社が倒れても、どこかの国が不調でも、致命傷になりにくい。初心者ほど、この二段構えから始めるのが王道とされているのは、そういう理由です。
ただし、魔法ではない
正直な注意点もあります。この計算は過去の実績で、未来も同じように戻る保証はありません。回復に2年で済んだのはS&P500の場合で、相場によってはもっと長くかかることもあります。
それでもこのデータが教えてくれるのは、タイミングを当てる才能より、続ける仕組みの方がずっと頼りになる、ということです。暴落込みで積立がどう動くかは積立シミュレーターでも試せるので、自分の金額で見てみると腹落ちすると思います。
これから始めてみたい人へ
積立を始めるなら口座がひとつ要ります。僕のメインはSBIですが、SBIは僕が紹介リンクを持っていないので、正直に選択肢だけ挙げておきます。初心者に評判がよくNISAにも対応している松井証券あたりは手堅い選択肢です。![]()
怖いのは暴落より、やめてしまうこと
最悪のタイミングで始めた人ですら、続けてさえいれば勝てていた。このデータを知ってから、僕は始めるタイミングで悩むのをやめました。
暴落は避けるものではなく、積立にとっては通過するもの。怖いのは暴落そのものより、そこでやめてしまうことでした。
※本記事は過去データにもとづく試算と考え方の紹介であり、特定の金融商品の推奨や将来の成果を保証するものではありません。試算は配当・為替・コストを除いた簡易計算です。投資の判断はご自身の責任でお願いします。


